こんにちは。シングルマザー看護師のromiと申します。
私はシングルマザーの身で経済的に自立を目指し准看護師の資格を取得後、人工透析室に所属されました。
シングルマザー看護師さん、病棟勤務が働きづらいと感じたら人工透析室の看護も視野に入れてみてはどうでしょうか?
一般的に人工透析室は、日勤のみで行っているところが多く、残業もほとんどありません。
急変対応、緊急入院、オムツ交換や車椅子移乗介助など体力勝負的な病棟勤務とは違い、体への負担が少なくワークライフバランスもとりやすい働き方ができます。
そのうえ、他の日勤看護師と比べると給料が高めに設定してあるため、特にシングルマザーにとっては重要なポイントとなります。
この記事では、子育て中のシングルマザー看護師さんにおすすめする「人工透析室の看護師のお仕事内容、メリット・デメリットなど」を踏まえてお伝えしたいと思います。
ぜひ今後の転職活動の参考にしていただけたら嬉しいです。
人工透析とは?

腎臓の機能が低下すると尿中の老廃物を除去することが出来なくなり、尿毒症になってしまいます。
また、体に溜まった水分を排出することが出来なくなるため、心臓に負担がかかり心不全という危険な状態に陥ってしまうため透析治療を始める必要があります。
人工透析とは医療行為のひとつで腎臓の機能を人工的に代替えすること。
腎不全を患った患者が尿毒症を防ぐには「老廃物除去」「電解質維持」「水分量保持」を行う必要があります。
透析治療には腹膜透析と血液透析の2種類があります。
腹膜透析とは腹部へ管を通し、その管から透析液を腹部へ入れ老廃物や余分な水分を排出させるものです。
毎日、自宅に居ながらゆっくりと時間をかけながら行うため体への負担は少ないそうですが腹膜透析で体の老廃物や余分な水分を排出できるのは限界があるため7~8年以内に血液透析に移行していきます。
血液透析とは内シャントと呼ばれる前腕の動脈と静脈をつなげた太い血管に針を刺し、そこから機械を介し体に溜まった老廃物や余分な水分を除去し、きれいになった血液を再び体に戻す作業を行います。血液透析は腎臓の替わりにダイアライザーという機械を介して血液から老廃物の除去、余分な水分の排出を行います。
人工透析室の内容
人工透析は週に3回 月・水・金 または 火・木・土 で 1回に4時間ほどかけてベッド上で治療を行います。
私たち看護師は、この病院やクリニックで行っている血液透析の看護を行います。
病院やクリニックによっては夜間透析を行っているところもありますが、ほとんどの病院やクリニックでは午前、午後の2クールで行っています。
人工透析室の看護業務

透析の実施
透析用の血管(前腕の動脈と静脈を吻合した内シャントとよばれる血管)に穿刺し、血液回路と接続し透析を開始します。
規模の大きな病院やクリニックでは医師が穿刺を行う所もあります。
透析中の看護
透析中の患者さんは、血圧低下を起こす場合もあるため十分な観察が必要です。
クリニックでは通院できるくらいの比較的元気な患者さんが多いですが、入院施設のある病院内で行っている人工透析室では入院中の全身状態不良の患者さんもいるので急変するリスクがあり注意していく必要があります。
患者さんの健康管理
人工透析室の看護師は患者さんの日常の健康管理や生活指導も行い、安心して快適な日常生活を送れるよう援助していくのも仕事のひとつとなっていきます。
食事や水分制限、運動制限、体重の管理、シャントの管理など看護師が適切に指導することによって患者さん自身が自己コントロールできるよう導いてあげることが重要となっていきます。
人工透析室の看護業務のながれ
- 【8:30】朝のミーティング
本日の予定と受け持ち患者さんの情報収集を行う。
- 【8:40】透析の準備
午前の部、1クール目の患者さん入室前の準備としてプライミングという作業を行います。(プライミングとは透析開始前に機械を洗浄し回路を透析液で満たす作業)
- 【8:50】患者さん入室
患者さんが入室すると最初に入室すると最初に体重測定を行います。
ベッド上で準備が出来た患者さんから順番にバイタル測定を行い体調の変化を確認します。 - 【9:00】透析開始
体調の変化がなければ順番に穿刺をおこない血液回路を接続し、透析が開始されます。
- 【10:00】バイタル測定
透析中の患者さんは急激な血圧低下や不均衡症候群などの合併症を起こしやすいため異常の早期発見が重要です。
- 【11:00】情報共有
受け持ち患者さんの状態を情報共有します。
- 【11:30】休 憩
前半後半、交代で休憩に入ります。
- 【13:00】1クール目透析終了
血液浄化が終了したら返血(血液回路から体に血液を戻す作業)を行い抜針します。抜針後はガーゼで圧迫し、止血バンドでしっかり固定します。最後に体重測定し体調に異常がなかったら終了となります。
- 【13:30】ベッドメイキング・環境整備
2クール目の患者さんを受け入れるための準備をします。
- 【14:00】2クール目透析の準備・開始
1クール目と同じ流れで透析を開始します。
- 【16:00】記録の整理・環境整備
受け持ち患者さんの記録の整理後、環境整備を行い業務終了となります。
- 【17:00】退 勤
人工透析室看護のメリット・デメリット
人工透析室看護のメリット
- 一般的な看護業務とはかけ離れているため新鮮な気持ちで働くことが出来る。
- 専門的な知識や業務を習得することが出来る。
- 日勤業務が多いことと日曜日はお休みがとれる。
- 他の看護師と比較すると特殊手当や危険手当がつくことが多いため給料は高めとなる。
- 外来や病棟業務のような慌ただしさはなく、ほぼルーチンワーク。
人工透析室看護のデメリット
- 専門的な業務が多く慣れるまでに時間がかかる。
- 病室がワンフロアで開放的となっており、常に患者とスタッフが同じ空間を過ごすことになるため人間関係がこじれるとストレスになりやすい。
- 専門的な看護技術が多く、再び一般の看護師として働くことになった場合再び仕事に慣れるのに時間がかかる。
- 患者が透析療法の長期化に伴い精神的なストレスからメンタル疾患にかかっている人が多く、気難しかったりする。いわゆる透析患者の独特な性質といわれる理由のひとつになっている。
人工透析室看護師の年収は?

人工透析室看護師の年収は430~450万円位が相場となっています。
病棟勤務と比較すると夜勤がない分年収は下がりますが一般的な日勤看護師の給料と比較すると危険手当などを含むため給料は高めに設定されています。
数は少ないと思いますが夜の就寝時間を利用して夜間透析を行っている施設もあります。年収も600万円以上といわれているので、人工透析看護が自分に向いていると感じたらそのような施設で働くのもいいかもしれません。
夜間透析・オーバーナイト透析を実施している施設もある

人工透析を夜間帯で実施している病院やクリニックもあります。
特に都心部では、夜間透析やオーバーナイト透析(夜遅い時間から朝までの就寝時間を利用して透析を行っている)を行っている施設も増えているようです。
昼間に行う透析と比べ、夕方以降に透析を行うため日中の時間を有効に使えることが特徴です。
日常生活の影響を少なく済ませることが出来ます。
夜間透析
18時頃から4時間ほどかけて透析を行う。
日中を有効に使える。
夜間透析を導入している病院やクリニックは多い。
帰宅時の公共交通機関が少ない。
看護師は準夜勤の勤務となります。
オーバーナイト透析
夜22時頃から朝の6時頃までの就寝時間を利用して透析を行う。
8時間ほどかけて透析を行うため体の負担が少ない。
宿泊設備が完備されているため、朝シャワーを浴びて仕事へ出勤することが出来ます。
日中を有効に使える。
都心部では近年オーバーナイト透析を導入している病院やクリニックは増えてきているが、地方では数が少ない。
看護師の勤務は夜勤となります。
人工透析室看護師がスキルアップを目指すには?

透析室看護師がスキルアップを目指す場合は以下の資格があります。
透析認定看護師
看護師経験5年以上、透析看護に3年以上従事し研修に参加した後審査に合格すると資格を取得することが出来ます。
慢性腎臓病療養指導看護師
看護師経験5年以上、腎不全看護学会会員歴が3年以上、その他研修やレポート提出など様々な条件をもとに試験を受け合格すると資格を取得することが出来ます。
透析技術認定士
透析看護に2年以上従事し、日本透析学会がおこなっている透析技術認定士認定講習会を受講し試験に合格することで資格を取得することが出来ます。
シングルマザーでも安心して働ける人工透析室の看護師【まとめ】

生活習慣病の増加に伴い、その結果として人工透析による治療を受ける人が増えてきており、そこに携わる看護師は今後いっそう需要が高くなってきます。
一般的に残業もほとんどなく定時で帰宅することが出来るため子育てとの両立も図りやすく他の日勤看護師と比較すると年収も高いためシングルマザーには適していると思います。
専門的だからこそスキルアップの有効性、将来的に必要とされることが多くなる人工透析室の看護師、ぜひ検討していくことをおすすめします。