シングルマザーにとって、家庭の経済を支えるための職業選びはとても重要です。
そこで、生涯くいっぱぐれのない正看護師を選択する方も多いことでしょう。しかし、子育てしながらの看護学校受験、ハードな学校生活を3年間続けなければいけないのです。
よほどの鋼のメンタルをお持ちの方や、周囲のサポートが手厚い環境下にある方でしたら乗り越えられるでしょう。しかし、そうでない方は准看護師を視野に入れてみることをおすすめします。
准看護学校であれば、入学要件が中学卒業レベルとハードルも高くありません。そのうえ受講生の年齢層が30代以降の社会人やシングルマザーも多いため、お互い共感し合えるといったメリットもあります。
特に学業から離れている方、子育てのサポートに不安がある方はこの記事を読むことで、シングルマザーが准看護師を目指すメリットをご理解いただけると思います。
そして挫折することなく、看護の道を歩むことができるでしょう。
准看護師と正看護師の違いは?
准看護師
都道府県知事が認定する資格です。国家資格ではありません。
最終学歴が中学校卒業であれば、准看護師養成所に通い知事試験に合格すれば准看護師の免許を取得できます。
正看護師
厚生労働大臣が認定する資格です。
最終学歴が高校で、その後看護大学や専門学校に通い、国家試験に合格すれば正看護師の免許を取得できます。
仕事内容の違い
基本的には、どちらも患者の看護業務を行いますが、役割に違いがあります。
- 准看護師
医師や正看護師の指示のもとで看護業務を行うことが法律で決められています。通常、看護計画の立案やリーダー業務を行うことあはりませんが、規模の小さな病院では指導の下で看護計画の立案、リーダー業務を任されることもあります。 - 正看護師
指示を受けるだけでなく、看護計画の立案やリーダー業務を行い、自ら判断して患者のケアを行うことができます。
キャリアの違い
- 准看護師
大学病院や規模の大きな総合病院では准看護師の求人は皆無に等しいです。
認定看護師や管理職にはなれません。 - 正看護師
保健師、助産師、認定看護師、管理職への昇進も可能です。
給与の違い
- 准看護師
平均年収:約350万~400万円(働く場所や経験値による) - 正看護師
平均年収:約450万~550万円(働く場所や経験値による)
ボーナスは病院の規模や実績によるが、通常は1.5~3ヶ月分のところが多い。
シングルマザーが准看護師になるメリット① 准看護学校の入試は中卒レベル

- 准看護科の受験レベルが中学校の内容。
- 国語・数学・英語・理科・社会の中から1~3教科を選択し、他に作文と面接がある。
- 過去問、参考書やテキスト問題集で勉強すればほぼ合格できる。
シングルマザーが准看護師になるメリット② 准看護師養成期間が2年間と短い

- 正看護学校が3~4年間のところ、准看護学校は2年間で免許を取得することができる。
- 2年間は何とか乗り越えられるものの、3年間はかなりきつい!
- 准看護学校は座学時間が少なく、全日制でも週に3日程度。半日制では午後から3~4時間の授業のため午前中や休みの日に働いたり、家事・育児に専念することができる。
《正看護学校の内容》
☆看護倫理力
☆臨床判断力
☆チーム医療
☆臨地実習
《准看護学校の内容》
☆基礎看護分野
☆基礎看護実習
シングルマザーが准看護師になるメリット③ 学費が安く抑えられる

- 准看護師養成期間は2年間のため、その分学費が安く抑えられる。
- 正看護学校では総学費300万円位のところ、准看護学校での総費用は100~150万円前後。
- 経済的な負担が圧倒的に少なく、シングルマザーでも目指しやすい。
国は、ひとり親の生活自立のために自治体と協力して給付金制度にも取り組んでいます。
准看護学校であれば生活保護下でも受験できる
准看護師を目指すのであれば、生活保護を受けながら看護学校に通うこともできます。
資格を取得するまでの2年間、何があるかわかりません。自分や子供が病気になり、お休みせざるを得ないこともあるでしょう。
生活保護を受けることに抵抗を感じる方も多いと思いますが、大丈夫です。
なぜなら働きながら生活保護を受けているシングルマザーは、意外にたくさんいます。
私も准看護師の免許をとるまでは、生活保護を受けていましたし、私の周囲のシングルマザーも生活保護世帯は何人もいました。
それより、大切なお子さんを守るためにもぜひ利用すべき制度だと私は思います。
シングルマザーが准看護師になるメリット④ シングルマザーや社会人が多い

正看護学校でも最近は、社会人やシングルマザーが以前より増えてきてはいるものの、まだまだ高卒からの入学生が多い。
准看護学校は、社会人経験者や家庭を持つ方も多く、幅広い年齢層の学生が在籍しています。
そのため、同じ様な価値観の人と共有しながら学校生活を送ることができます。
実習期間に入るとグループでの活動になるため、世代のギャップに悩ませられることなく学業に打ち込むことができます。
全国の准看護学校詳細⇒ 准看護学校一覧
シングルマザーが准看護師になるメリット⑤ 准看護師でも就職先はたくさんある
准看護師でも、引く手あまたのため病院やクリニック、介護施設など募集枠は広い。
高齢者医療の需要が高まるのと同時に、看護師不足が問題になっています。
ライフスタイルの変化や、現場での責任の重さなどで看護師の離職率が高いことも原因の一つと言われています。
シングルマザーが准看護師を目指すデメリット
- 正看護師と比較すると給与水準が低い。
- 管理職や認定看護師になれない。
- 大学病院や総合病院では准看護師の募集枠がほとんどない。
准看護学校の合格率
准看護学校の入試合格率は、97%以上で推移している。
厚生労働省の実施状況
准看護学校:全日制と半日制

准看護学校には全日制と半日制があります。どちらも2年間で准看護師免許を取得することができる。
育児や働きながら学校に通うことができるため、自分の生活スタイルに合わせて学校を選択できる。
全日制
週に3回ほど通学し、朝から夕方にかけてカリキュラムが組まれており、働きながら学校に通うことができる。
※全日制でも週に4~5回通学する学校もあるので、選択肢に注意が必要です。
半日制
午後や夜間に授業が行われ、週に5回ほどの通学になる。
午前中や日中に働いたり家事や育児に時間をあて、その後学校に通うスタイルになります。
※多くの准看護学校は半日制を導入しています。
シングルマザーが准看護師を目指すための準備
まず環境を整える
シングルマザーが准看護師を目指すうえで、問題となるのが子育てと学業の両立です。
そこで一番大切なのは、子育てのサポートではないでしょうか?
実家で生活できれば子育てサポートも得られ、安心して仕事と学業を両立させることができますが、頼る所がない方はぜひ国が支援するサポートを受けることをおすすめします。
ひとり親のために、各自治体はさまざまなサポート体制を取り入れています。条件はありますが利用する価値はあります。
全国に設けられている母子生活支援施設は、生活の場が子育てサポート体制が整っている環境なのでぜひ利用してみてはどうでしょうか?
シングルマザーが准看護師になるまでのステップ
働きながら免許を取得するまでの流れ
- ステップ①病院やクリニックへ就職する
看護助手として就職する。
病院独自の奨学金制度を設けている病院や施設がある。
就職する先でどのような支援制度があるか確認する。 - ステップ②准看護学校を受験する
受験科目は学校によって異なるが、国語・数学・英語・作文といった高校受験と同じような内容になります。
- ステップ③准看護学校入学
1年目は履修科目で2年目は実習がメインとなる。
- ステップ④准看護学校2年間通学
- ステップ⑤准看護師の試験を受験する
准看護師試験は2月の中旬頃に各都道府県で実施。
受験問題は150問が出題され4択でマークシートによる選択式になります。90問正解で合格となる。 - ステップ⑥准看護師免許取得
知事試験に合格後、速やかに免許申請手続きを行い准看護師免許を取得する。
※申請後から免許証発行まで数か月かかることもある。
まとめ

シングルマザーが准看護師を目指す理由の多くは経済的な自立だと思いますが、その他柔軟な働き方や地域社会に貢献できるという大きな魅力もあります。
短期間で資格を取得でき、育児と仕事の両立が可能で多くのシングルマザーや社会人に選ばれている准看護師。
正看護師になるのは大変そぉ…と悩んでいる方や経済的に厳しい環境の方、ぜひ准看護師を目指すことで挫折することなく看護の世界で自立した生活を送ってみませんか?